世界で見ても大学留学費用が高い国、イギリス。
学費に加え家賃相場や物価も比較的高く、ビザ取得費用などもかかります。
それでも英語や専門的な分野を学ぶのはもちろん、イギリス文化への憧れなどから毎年多くの人が留学しています。
今回はイギリスで大学へ通う場合どのくらい費用がかかるのか、また費用を節約する方法や、返済不要の給付型の奨学金についてもご紹介します。
目次
イギリスの大学への留学費用を決める4つの要因
イギリスの留学費用は、1年間に約250~800万円かかります。
かなり費用に幅がありますが、留学費用を決める4つの要因は、学費・現地での滞在費・生活費・滞在期間です。
これら4つの要素についてそれぞれ解説します。
学費が留学費用でもっとも大きな割合を占める
留学費用の中でも半分近くを占めるのが学費です。
学部や学校によってどの程度かかるのかご紹介します。
公立大学か私立大学か?
イギリスの大学のほとんどが公立です。国内に100以上ある大学のうち、私立は数校しかありません。
実は1990年代後半までは、イギリスの国立大学の授業料は無料でした。
ところが最近では年々授業料が値上がりしており、公立でも日本の私大と同じくらいか、もしくはそれ以上の授業料がかかります。
私立になると授業料を自由に決められるので、公立の倍以上する学校もあります。
文系か理系か?
年間のおよその学費は、文系の場合100~120万円、理系130~150万円、医学系200~300万円程度となっています。
また、イギリスの大学は日本の大学と違って一般教養のクラスはなく、すぐに専門過程の学習に入ります。
そのため、日本人留学生は「ファウンデーションコース」という、一般教養や英語力を身に着けるコースをを9ヶ月間学ぶ必要があります。
ファウンデーションコースの学費は学校によって異なり、約100万円~です。
学部か大学院か?
理系か文系か、先行する科目にもよりますが、大学院の方が授業料は高くなることが多く、約140万円~300万円です。
卒業までかかる期間は、学部は3年間、修士は1~2年、博士は3年~となっています。
現地での滞在費
イギリスでの滞在費は、アパート・寮・シェアハウスなどの居住形態や、ロンドンの中心地かそれ以外の場所などかなど、住む地域によって異なります。
寮
地方なら約6万円、ロンドン中心地なら約8万円程度です。
一人部屋もしくは数人でルームシェアする場合があり、 食費が含まれていることもあります。
シェアハウス
複数人で家賃を折半するため、家賃は約4万円程度になります。
部屋をかりる
ロンドン中心地に住むなら最低でも10万円程度はかかります。
地方に行けば約6万円~住むことも可能です。
現地での生活費
家賃の他にかかるのが、食費や通信費などの生活費です。
食費
月に約2~8万円かかります。
イギリスは外食が高いので、できるだけ自炊することで食費を抑えることができます。
通信費
月に約800~6,000円かかります。
家賃にWi-Fi使用料が含まれていたり、現地SIMを使ったりすることで、通信費は抑えることができます。
イギリスでは無料のWi-Fiがかなり整備されているので、上手に組み合わせて利用しましょう。
例えば、基本的にはフリーWi-Fiを使用し、Wi-Fiが繋がらないところで待ち合わせなどをするために、一番安いSIMを契約するといった方法がおすすめです。
交通費
イギリスで地下鉄を利用して移動するとなると、思った以上に交通費がかかります。
学校へ地下鉄で通う場合は、月約15,000円程度を考えておきましょう。
交際費
せっかく留学したなら、現地で知り合った友人との交流も楽しみたいものです。
イギリスではパブでお酒を飲む文化が盛んなため、友人との飲食などにかかる交際費も月に5,000円~2万円程度用意しておくといいでしょう。
滞在期間分増える
イギリスの大学は3年制のため、アメリカなど大学が4年制の国に比べると、その分滞在費は少なくすみます。
以下に期間による費用の概算をご紹介します。
1ヶ月:40~90万円
半年:120~300万円
1年間:250~800万円
※学費・滞在費・渡航費(1往復)・保険・生活費・ビザ申請費などを含めた概算です。
留学費用を抑えるために必要なこと
他国と比べても留学費用が高額となるイギリスですが、工夫すれば費用を抑えることもできます。
その方法を4つご紹介します。
給付型の奨学金を申請する
留学の場合でも、奨学金を利用することが可能です。
奨学金には「貸与型」と「給付型」があり、貸与型だと借りた奨学金の返済義務があり、利子がつくこともあります。
一方給付型だと返済義務がないため、留学費用を大幅に抑えることができます。
選考は厳しいですが、学費だけでなく生活費や渡航費も援助してもらえることが多いので、ぜひ給付型奨学金についても検討してみてください。
給付型の奨学金を提供している機関の一例をご紹介します。
・海外留学奨学金(日本学生支援機構) – JASSO
文部科学省が所管する独立行政法人で、さまざまな奨学金制度があります。
給付型の場合求められるレベルは高いですが、支援が手厚いのが特徴です。
・【文部科学省】トビタテ!留学JAPAN – その経験が、未来の自信。
世界で活躍する人材育成のため、文部科学省が提供している奨学金です。
留学計画書などの提出後に対象者を選考します。
・Chevening in Japan | Chevening
イギリス政府が提供している、1年間の修士号取得のための奨学金です。
学士号の所持・2年以上の勤務経験が必要といった条件がある、社会人向けの奨学金です。
学費の安い専攻プログラムに変更する
明確に専攻したいプログラムが決まっている場合は変更が難しいかもしれませんが、学費を抑えるために専攻を変更するのもひとつの方法です。
イギリスで人気の専攻は、開発学・アート&デザイン・経済学・マーケティングなどです。
寮やシェアルームで滞在費を安くする
イギリスで部屋を借りると家賃が高額になってしまいます。
寮やルームシェアでは、家賃や通信費などの滞在費が抑えられるだけでなく、授業以外でもさまざまな人とコミュニケーションをとることができるため人気の滞在方法です。
滞在日数を短くする
滞在日数が増えれば増えるほど、費用は高額になります。
学部は3年間なので日本より少ないですが、より滞在期間を短くするなら、大学院から通う方法も検討しましょう。
イギリスへの大学留学費用を考えるときのポイント
留学にかかる費用や節約する方法をご紹介してきましたが、節約すべきでないポイントもあります。
生活費といった変動費で節約することを考えない
おおまかな生活費は算出することができますが、生活費の中でも交際費や食費など、月によって変動するものもあります。
また、イギリスは冬は寒く夏は過ごしやすいため、光熱費も季節によって変動します。
通信費や家賃などの固定費はできるだけ節約して、その他の変動する生活費は多めに考えておきましょう。
妥協できるものとそうでないもののメリハリをつける
全ての費用を抑えてしまうと、生活が不便になったり、留学の目的を達成できなかったりします。
自分の留学の目的は何なのかをよく考え、費用をかける部分やそうでない部分にメリハリをつけるのが大切です。
例えば、絶対に学びたい科目があるなら授業料には妥協せず、住む場所を地方にする・朝食や夕食を提供してくれる寮を選ぶなどして費用を抑えましょう。
逆に、イギリスで観光したり文化に触れたりすることをメインに考えているなら、留学費用で大きな割合を占める授業料が安い学校を選ぶのもひとつの方法です。
まとめ
イギリスでの留学費用は、主に学費・滞在費・生活費・滞在期間で構成されています。
費用を節約するなら、ある程度妥協できる部分を洗い出し、そこを節約していきましょう。
また基準は高くなりますが、学費や滞在費用、航空チケット代などをサポートしてくれる、給付型奨学金について事前に調べておくことをおすすめします。
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