【MBA留学の費用】受験料や学費の目安と費用を抑えるポイントもご紹介

MBA留学は留学中だけではなく留学前も費用がかかります。入学金や授業料の高い予備校で対策し、現地の学費の高い学校で2年間学ぶとなると費用は膨大になります。
今回の記事では、MBA留学前と留学中には何にいくらかかるのか、経済的負担を軽減して留学するポイントを紹介します。また、海外MBA、国内MBA、オンラインMBAの学費も紹介しています。

 

MBA留学費用の内訳

費用

MBA留学のためには、現地のビジネススクールに受かるための準備や受験費用、留学後にかかる生活費や学費などの費用を工面する必要があります。

 

MBA留学前の費用

留学前にかかる費用一覧は下記の通りです。

項目 費用 備考
英語資格の受験費用(GMAT) 1回250ドル(約27,500円) 通常複数回受験する。1年に5回実施。
英語資格の受験費用(TOEFL) 1回235ドル(約25,000円) スクールが定める基準を超えるまで受験。
MBA予備校 65~145万円程度 GMAT、TOEFL、インタビュー、エッセイ、出願手続き等、どこまで対応してもらうかによって費用は大きく異なる。
スクール出願費用 1校30,000円程度 無料のスクールもある
キャンパスビジット 10~20万円程度(滞在費) 渡航費用がかかる。ただし、必須ではない。
現地インタビュー 10~20万円程度(滞在費) Skype インタビューを採用しているスクールも多い。

入学に必要な英語資格の受験費用

MBA留学は、ビジネススクールで学べる語学力、読解力、数学的な考え方、論文を書く能力があるか判定される「GMAT」と、授業を受けるのに問題ない英語力があることを証明する「TOEFL」と、スコアの提出が必要です。
受験料だけで40万円近くかかるので、テキスト代も合わせると英語の資格試験だけで約50万円かかる計算です。

 

GMAT

GMATはネイティブの学生も受験が必須なので、海外経験のない日本人には非常に難しい試験であり入念な試験対策が必須です。一度でハイスコアを出すのは難しく、多くの方は複数回受験することになるので、試験を受けるほど受験費用はかさみます。

職歴重視の学校の中には、GMATを免除してくれる所もあるので、そのような学校を選べば試験勉強の時間や受験費用を節約できます。

受験料:1回250米ドル(約27,500円)
日程変更:8日以上前であれば、60米ドル(約6,500円)で日程変更可能
※試験日が7日前以内の場合、日程変更には250米ドルかかります。
キャンセル:80米ドル(約8,800円)返金されます。
日程:1年に5回
※試験日程の変更やキャンセルは受験回数にカウントされない。

 

TOEFL

スクールで設定された最低スコアをクリアする必要があります。TOEFLは受験回数に制限がないので何度でも受験可能ですが、MBA留学経験者の多くの方は10回以上は受験しているので、235米ドル×10回=2,350米ドル(約250,000円)は最低でもかかると考えて良いでしょう。試験日程変更などがあれば、別途手数料がかかります。

受験料:1回235米ドル(約25,000円)
日程変更:試験日4日以上前であれば60米ドル(約6,500円)で日程・会場の変更が可能
※試験日が7日前以内の場合、日程変更には250米ドルかかります。
日程:1年に複数回
申込:通常試験7日前まで。ただし、試験日4日前までであれば、40米ドル(約約4,400円)の手数料を支払えば申し込み可能

 

MBA予備校

MBA予備校にはGMAT、TOEFL、エッセイ、インタビュー全ての対策ができる予備校と特定の対策に特化した予備校があるように、予備校によってカリキュラムやサポートが異なるので、通う予備校と予備校でどこまで対策するかによって費用は異なります。

GMATとTOEFLの予備校費用はそれぞれ20~50万円程なので、2つ共予備校で対策すれば40~100万円ほどかかります。エッセイとインタビューはどこまで添削やカウンセリングを依頼するかで異なりますが、エッセイ対策は10~30万円、インタビュー対策は15万円ほどです。

英語の試験は独学で対策するとしても、MBAに合格した方のほとんどはエッセイとインタビューは予備校に通っていたことから、エッセイとインタビュー対策の予備校費用として最低25万円は確保しておくと良いでしょう。全て予備校で対策すると、65~145万円かかります。

申し込んだ講座やパッケージとは別にカウンセリングやコンサルを依頼する場合、さらに30万円前後かかります。

 

スクール出願費用

ビジネススクールの出願料は出願数によって異なりますが、1校30,000円程度です。(無料のスクールもあります。)

 

キャンパスビジット

キャンパスビジットはスクールの雰囲気を確かめたい方にはおすすめですが、ほとんどの学校では試験の合否を左右しないので、捻出できる費用と相談して参加有無を決めると良いでしょう。渡航費用がかかります。

 

現地インタビュー

インタビューはスカイプなどのオンラインや日本国内での対面式の面接に対応していることもありますが、現地でのインタビューのみの場合はインタビューを受けるための渡航費用がかかります。キャンパスビジット、インタビュー共に渡航先によって異なりますが、それぞれ1回10~20万円かかります。

 

留学中の費用

留学中には生活費と学費がかかりますが、生活費は留学先の物価によって、学費は学校の授業料や留学期間が1年か2年かによって異なります。それぞれの費用が国や学校や留学期間によってどの程度違うか解説します。

留学中の費用一覧は下記の通りです。

項目 費用 備考
生活費 20万円/月 家賃10万円/月、食費5万円/月、交通費・交際費5万円/月で計算
学費 200~800万円/年 学校の知名度、教師の質などで大きく異なる

生活費

家賃10万円/月、食費5万円/月、交通費・交際費5万円/月とすると、20万円/月あれば十分でしょう。
さらに旅行などに行く場合はその分費用がかかります。

 

学費

学費は有名な講師が在籍していたり、学内の施設が充実していると授業料が高くなる傾向にあるなど、学校によって授業料が異なります。
留学期間が1年の場合の授業料は200~800万円、2年の場合の授業料は400~1,600万円が相場です。

 

トータルでかかる費用

MBA留学にかかる費用は、受験対策や英語の試験を受ける回数、留学先や授業料、留学期間によって必要な費用は大きく異なります。
英語の試験の受験回数や通う予備校を最小限に抑え、キャンパスビジットやインタビューで渡航し、物価の安い地域に滞在しながら授業料の安い学校に1年間留学するとしても、留学前と留学中で合わせて450万円ほどかかるでしょう。
一方、英語の試験と予備校での対策を可能な限り受け、物価の高い地域に滞在しながら2年間授業料の高い学校に留学するとなると、2,000万円以上はかかります。

 

MBA留学費用を抑える方法

下向きの矢印

なるべく費用を抑えてMBA留学したい人向けの方法をご説明します。

スクールにこだわりはなく、なるべく独学する意欲があり、現地でも節約を心掛けることが前提です。

 

英語資格の取得費用

MBA留学をするのであれば、自ずと”自習する力”が求められます。そのため、GMATやTOEFLの対策の時点から独学で勉強する習慣をつけましょう。
基本的には資格試験対策の予備校の授業は受けず、独学で勉強しましょう。GMATもTOEFLも世界的に有名な試験なので、多くの質の高い教材があるほか、
今はユーチューブ等でも良い教材があるのでフル活用しましょう。

どうしても不安な方は、予備校の短期講習を受けることを検討してください。
また、受験回数も少なくて済むように計画的に勉強を進めておきましょう。

さらに、GMATが免除されるスクールもあるので検討候補に入れておきましょう。

 

スクール出願時の費用

キャンパスビジットには参加せず、インタビューもSkypeインタビューを採用している学校を選びましょう。
渡航費を抑えられます。

 

スクールの学費

海外MBAという学位取得にこだわり、スクールは学費の安い場所を選びましょう。

 

生活費

家賃はシェアハウスに住んでなるべく浮かせる、食費は自炊を中心にする、旅行など出費の大きい娯楽は控えるなどを心掛けましょう。

 

MBA留学の資金調達方法

お金を渡る様子

下記のような方法が考えられます。

 

奨学金の利用

教育ローンの利用

社費留学制度のある会社への就職

 

奨学金

学校が設置したものだけではなく、国や地方自治体や民間団体が設置したものもあります。奨学金を受けるには審査が必要ですが、審査基準は奨学金によって異なるので、複数申請することをおすすめします。

奨学金制度を味方につけて留学支援を受ける!留学前に知るべき留学支援一覧

 

教育ローン

学校や民間の奨学金を受けられなければ、利子は必ず発生しますが銀行や日本政策公庫の教育ローンも検討してみてください。

留学時のローンの選び方。優先度別にご紹介します!

 

社費留学制度

働いている会社にMBA留学する社員の留学費用を負担する制度があれば、会社負担での留学(社費留学)制度の利用でもご自身の負担を軽減できます。社費留学は休職しながらの留学も可能な会社が多いのがメリットですが、留学後も同じ会社で働き続けるなどの条件付きのこともあるので、内容を確認した上で利用しましょう。
社費留学のない会社で働いていて、ご自身で留学費用の工面をしたり、奨学金や教育ローンを受けるのが難しい方は、社費留学制度のある会社への転職も考えてみてください。

 

海外有名校の学費ランキング

ファイナンシャル・タイムズの「Global MBA Ranking 2019」のデータを参考に、2年間留学した場合の学費の高い5校を下記で紹介します。

第1位ウォートンスクール(ペンシルバニア大学MBA)…1,582万円
第2位マサチューセッツ工科大学スローンマネジメントスクール…1,537万円
第3位ハーバード・ビジネス・スクール…1,471万円
第4位ダートマス大学タック・スクール・オブ・ビジネス…1,446万円
第5位シカゴ大学ブース・スクール・オブ・ビジネス…1,443万円

 

国内MBA取得費用との比較

国内MBAは今すぐに留学費用を捻出するのが難しい方でもMBAを取得するチャンスがあることに加え、仕事を続けながらビジネススクールに通えるので、MBA留学よりも費用面の心配がありません。国内MBAは国立と私立で異なりますが、2年間通った場合の学費の高い5校を紹介するので、海外の学校と比較してみてください。

第1位国際大学…470万円
第2位慶応義塾大学…437万5,200円
第3位早稲田大学…372万6,000円
第4位青山学院大学…330万6,000円
第5位東京理科大学314万円
※国立で最も高いのは北海道大学の135万3,600円で、MBAを取得できる国内の大学の中での学費の高さは14番目です。

 

オンラインMBA取得の費用

タブレット

海外MBAに興味はあっても、仕事が忙しく海外留学が難しい方にオンラインMBAはおすすめです。時差の影響で不利な時間にある講義や、世界中にあるテストセンターでのテストが必須など、大変な点はいくつかありますが、留学よりも費用を抑えて海外MBAを取得できるのがオンラインMBAのメリットです。

たとえば、オンライン学位取得プログラムが充実しているインディアナ大学では、通学の1年間の授業料が959万円のところ、オンラインでは630万円で学ぶことができます。マサチューセッツ大学アマースト校は1年間の授業料148万円のところ67万円になります。

アメリカ以外の大学では、ロンドン大学は69万円(通学850万円)、スペインにあるIEビジネススクールは595万円(通学825万円)です。

 

まとめ

MBA留学費用は英語の試験対策と受験回数、学費や生活費で大きく異なりますが、最低450万円、最高2,000万円以上見ておくと良いでしょう。学費の安い学校や物価の安い地域を選ぶことができるのが理想ですが、奨学金や教育ローン、社費留学でご自身の負担を軽くしたり、オンラインMBA取得も検討してみてください。

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