「留学するには何から始めればいいのだろう?」と悩む方は多いはず。今回は「留学するにはどうすればいいのか分からない」という状態の方が、最終的に思い描く留学体験を得ることができるようになるまでの道筋を詳しく解説していきます。
留学費用や留学におすすめの国、留学をするための必須条件などについて詳しくお伝えします。
目次
留学するために最初に考えるべきこと
まずは、「留学をするために最初に考えるべきこと」について解説をします。
①留学の目的を決める
留学をするためにはまず「なぜ留学をするのか」という留学の目的を明確に決めることが必要です。「留学をする」ということがゴールではなく「留学をしてどのようなことを体験するのか」「留学後にどのような姿になっているのか」が留学のゴールになるからです。
この「留学後にどのような姿になっているのか」という点が明確になれば、どのようなタイプの留学をすればいいのか絞ることができます。
(追記)
※アンケート
②留学の種類を知る
留学には大きく分けて6つのタイプがあります。
- 語学を学ぶための留学
- 海外の大学や大学院への留学
- 海外の専門学校への留学
- 海外の高校への留学
- ワーキングホリデー
- 海外ボランティアのための留学
語学留学
「語学を学ぶための留学」はいわゆる『語学留学』と呼ばれるもので、自身の外国語のレベルをアップさせることが目的の留学です。また、語学留学をする場合には「どこまでの外国語のレベルまでアップさせるのか」ということも明確に決めておかなければなりません。
民営の語学学校の場合には期間が最短で1週間、最長だと数年でも通えるという柔軟さがあるので、目標に合わせた期間を選択できます。
また、語学留学をする上で
- 民営の語学学校
- 大学付属の語学学校
- ビジネススキルなど専門的スキルを同時に学ぶ語学学校
の、どのタイプの語学学校に入学するのかも検討事項に入ります。
海外の大学や大学院への留学
日本の大学・大学院で学ぶのと同様、その国の言語で専門的な学域を学ぶということが目的の留学です。また海外の大学・大学院に入学するためにはTOEICスコアなどを代表とする「言語力を証明する証拠」が必要となります。期間としても日本の大学・大学院などと同じく年単位で1年〜4年が一般的です。
海外の専門学校への留学
日本の専門学校とイメージは近く調理や美容、デザインなどといったように「海外でこのスキルを学びたい」という専門スキルを学ぶことが目的の留学です。また、専門学校に入学するためにはTOEICスコアなどを代表とする「言語力を証明する証拠」が必要となります。
期間については留学する専門学校のカリキュラムによって異なり、1ヶ月でカリキュラムが修了するものもあれば3年以上通う必要があるところまで様々です。また、卒業後には海外への就職に繋げることができる場合もあるのがこちらの留学です。
海外の高校への留学
海外の公立または私立の高校に通い、高校を卒業するということが目的の留学です。そのまま海外の大学へ入学する人も多いのが特徴です。
国の制度によっても変わりますが、基本的には3年間の留学期間となります。現在では、1年間だけの留学をすることができるカリキュラムも増えています。
ワーキングホリデー
ワーキングホリデーは海外で実際に仕事をすることが目的の留学です。このワーキングホリデーは基本的に1年間、その国に滞在することが保証されるビザが発給されるため、仕事をするだけではなく観光をしたり勉強をしたりと自由度が高い留学となるのも特徴です。
海外ボランティアのための留学
留学先の国でボランティア活動を行うことが目的の留学です。ボランティア内容で主だったものとしては発展途上国支援、動物・自然保護、博物館などの施設スタッフ、現地企業などへのインターン、語学学校のアシスタントなどがあります。
海外でのボランティア活動となるため、日本人ボランティア団体以外へ参加する場合には語学力が一定レベルで求められることが多いです。
③留学のための予算を決める
留学をするために予算を決めることも大切です。先ほど紹介した6つのタイプの留学によっても掛かる費用は異なるほか、同じタイプの留学であっても内容によって費用が大きく変わってきます。
一般的に費用が大きい順に先ほどの6つの留学を並べると、
- 海外の大学や大学院への留学
- 海外の高校への留学
- 海外の専門学校への留学
- 語学を学ぶための留学
- ワーキングホリデー
- 海外ボランティアのための留学
という順番になります。
また、語学留学などは例えば英語を学ぶとして「ネイティブ国(アメリカやイギリス、オーストラリアなど)」で学ぶのか「非ネイティブ国(フィリピンやインドなど)」で学ぶのかで大きく費用が変わってきます。
自分が留学に求めるゴールが国によって予算内に収まるか、予算をオーバーしてしまうのかが変わってくる可能性もあります。
④留学する期間を決める
留学する期間は長ければいいという訳でもなく、上記で示した通り自分が留学で達成したい目的に必要最低限の期間を設定する方が良い結果を出せる傾向にあります。
例えば、語学留学をするとして不必要に長い期間、語学学校に通うことになってしまうと途中で気持ちが途切れてしまい、学習効果が下がってしまうケースが多いです。必要最低限の留学期間に設定した方がメリハリを持って、留学期間を浪費せずに有意義な留学をすることができるでしょう。
⑤留学したい国を決める
最後に留学したい国を決めましょう。先ほど「予算」の項でも述べた通り、自分の留学の目的が達成できる国をよく吟味しなければなりません。
例えばワーキングホリデーでできるだけ長い期間海外にいたいというのであれば、2018年から最大3年間滞在することが可能となったオーストラリアが最適です。ネイティブの英語を学びたいというのであれば格安留学で人気のフィリピンではなく、ネイティブ国への語学留学が必要です。
自分の留学の目的をハッキリとさせることによって、「留学したい」というよりは「留学しなければならない」国が明確に分かるはずです。
アメリカ
特徴
アメリカを留学先に選ぶ最大のメリットは、分野の選択肢が多いということです。語学だけでなく音楽や映像、アートなどの芸術分野、情報や通信などのIT分野など、あらゆる分野における最先端のスキルを現地の人たちと一緒に学べます。また、アメリカでは留学生を受け入れる環境が非常に充実しており、トラブルの際にも日本語で対処できるシステムが整っています。留学するにあたり不安が多いという方には、特におすすめの国です。
平均的な費用
アメリカ留学の場合、留学の目的や内容、滞在場所によっても大きく異なりますが、平均費用は3ヶ月で60~150万円、半年間で90~200万円、1年間で180~450万円が目安です。アメリカは国土が広い分、都市部や郊外など滞在場所によって滞在費や生活費に大きく差が出ます。なるべく費用が抑えたい場合は郊外へ留学するのがおすすめですが、特殊な分野では留学先が限定されるため、優先順位を考えて留学先を選びましょう。
カナダ
特徴
世界2位の面積を有するカナダは移民が多い国としても知られており、バンクーバーやビクトリアがある西側と、トロントやモントリオールがある東側では街の雰囲気やそこに暮らす人種も大きく異なります。英語と並んでフランス語が公用語として用いられているのが特徴で、英語を学びながらフランス語に触れる機会も得られます。もともと人種が入り混じる文化のため留学生にも親切に接してくれる人が多く、安心感のある留学先です。
平均的な費用
国土の広いカナダですが、国民の約8割は利便性の高い都市部で生活しているため、留学先も都市部となるのが一般的です。郊外に比べると若干物価も上がり、全体的な費用は3ヶ月で60~120万円、半年間で110~180万円、1年間で170~320万円が目安です。なるべく節約したいところですが、カナダは観光地も充実しているので、留学中に観光スポットを回りたいと考えている方は、娯楽費も多めに準備しておきましょう。
オーストラリア
特徴
オーストラリアは留学制度や環境が非常に充実しており、日本人の留学先として大人気です。学生留学だけでなくワーキングホリデー制度を利用できるのが特徴で、社会人であっても気軽に留学できます。日本とは季節が真逆ですが時差は1~2時間のため、日本と連絡を取りやすいのもメリットです。都会がある一方で自然が多いのも魅力で、のんびりした雰囲気の中、治安を心配することなく留学生活を送りたいという方にもぴったりです。
平均的な費用
オーストラリアの物価は日本と比べると同じくらいか、少し高い傾向にあります。留学費用は、平均して3ヶ月で60~120万円、半年間で110~200万円、1年間で190~350万円ほどです。ワーキングホリデーを利用する場合と学生ビザで留学する場合、また語学学校に通う場合とそうでない場合などで費用は大きく変わります。物価が高い分外食費が嵩む傾向にあるため、なるべく節約したいという方は自炊の準備をしておきましょう。
イギリス
特徴
イギリス留学の最も大きな特徴は、本来の英語を習得できることです。一般的に「英語」と聞くとアメリカを思い浮かべる人が多いですが、元々はイギリスの英語が基本となっており、より正しい発音や文法を身に着けられます。また、イギリスは留学生受け入れの歴史が長く、留学制度や体制が整っている上、様々なジャンルで世界最高レベルの教育が受けられます。ヨーロッパ各国へのアクセスもいいので、留学中に周遊を楽しめるのも魅力です。
平均的な費用
イギリスでは生活用品の物価は日本と大きく変わりませんが、都市部では家賃が日本の1.5~2倍です。それを踏まえて留学先を選びましょう。留学費用の概算は、3ヶ月で70~130万円、半年間で100~210万円、1年間で200~480万円が目安です。イギリスでは大学の費用が非常に高いため、語学留学の場合は語学学校を選択することで費用を抑えられます。留学中にヨーロッパ周遊を考えている方は、別途その費用が必要です。
ニュージーランド
特徴
日本と同様に四季があり、のんびりとした雰囲気で人気なのがニュージーランドです。移民が多いため人種差別が少ない島国として知られており、非常に治安がいいことが特徴です。留学に際して学生ビザだけでなく、ワーキングホリデーや観光ビザで入国できるのも魅力で、社会人にもおすすめの留学先といえます。オークランドなど都会にいながらすぐ近くに大自然を感じることができ、先住民族との関わりや異文化を気軽に体験できます。
平均的な費用
ニュージーランドは島国で食品や生活用品の多くを輸入に頼っていることもあり、日本と比べると全体的に物価は高めですが、留学費用の相場は3ヶ月で60~100万円、半年間で100~170万円、1年間で170~300万円と他の国と大差はありません。ショッピングモールや観光地など娯楽施設が少ないため、日常的な物価が高くても他の国と同等の費用で留学できます。短期間で集中して語学を習得したいという方に特におすすめです。
セブ島
特徴
語学の習得もリゾート気分も両方楽しみたいという方にぴったりなのが、フィリピンのセブ島です。日本人が経営する語学学校が多く、留学前から現地の人と日本語でやり取りできるシステムが人気を集めています。また、他の国と比べて留学費用を圧倒的に抑えることができるのもセブ島の魅力です。物価が安いと同時に驚くほどの費用でマンツーマンの授業を受けることもでき、留学して早い段階で英語が上達したことを実感できるでしょう。
平均的な費用
セブ島に留学する場合、ほとんどの学校で寮が用意されており、寮費の中に食事代が含まれているため、生活費の中で大きな割合を占める食費がかからないのが最大の特徴です。留学費用は3ヶ月50~90万円、半年間で80~120万円、1年間で110~250万円が相場で、少人数制のクラスやマンツーマンの授業を受ける機会が多いほど学費が高くなります。娯楽費を少し多めに用意し、休日はリゾートやショッピングを満喫するのもおすすめです。
留学するための必須条件を揃えよう
次に留学をするための必須条件を解説していきます。こちらに記載する事項は「留学前」にクリアしておくべきものです。
現地で通用する語学力を身に付けよう
語学留学以外は「現地で通用する語学力を身に付ける」ということが必須です。高校・大学・専門学校では当然ですが現地の生徒と一緒に学ぶのであり、その国の言語を使ってレッスンが行われます。
少なくともその学校が提示している語学レベル(TOEICスコアなど)はクリアしておくべきであり、それ以外にも日常会話ができる会話力・リスニング力を身に付けておいた方が望ましいです。
ワーキングホリデーやボランティア活動に参加する場合にも最低限、現地の人々と意思疎通ができる程度の語学力を身に付けておく必要があります。語学力がなければ海外の人々を相手に仕事をすることも、ボランティアを行うこともできないからです。
専門領域の学業成績を上げよう
また海外の学校に入学する場合には、事前にその専門領域の学業成績を上げておくことも必要です。学校によっては「一定水準の専門領域に関する学力があること」が求められる場合があるからです。
自身が留学したい学校の入学条件を早い段階でチェックして、そのような条件の有無については必ず確認しておきましょう。
留学資金を貯めよう
そして何と言っても留学をするために必要な資金があることが前提です。学校に入学する場合にも単純に「学費や生活費」だけではなく、渡航費や海外保険費用など諸費がかかってきます。費用に関しては公判で詳しく解説していきます。
留学形態別でシミュレーションをしてみる
最後に留学形態別に必要な書類や手続き、英語力や費用などに関してのシミュレーションをしていきましょう。
学部留学をするために必要なこと
今回は欧米の大学に留学する際に必要な書類や手続き、英語力、費用を解説していきます。
必要な書類
アメリカの大学に入学する際に必要な書類について見ていきましょう。
まず大学入試に出願する際に必要な書類を見ていきます。
- 成績証明書・卒業証明書
- TOEFLスコア
- 預金残高証明書
上記、3点に関してはどの大学でも必要となります。
「成績証明書・卒業証明書」は大学入試をする上で最も重要視される書類となります。ちなみに平均成績が「3~3.5」以上であればアメリカの4年生大学に入学することができるというのが一般的です。
また「TOEFLスコア」についても提出が義務化されている場合が多いです。一例で言えば4年生大学で「70~90」以上のスコアが必要で、2年生大学では「60~80」のスコアが必要であると言われています。
そして「預金残高証明書」ですが、実際に入学した際の学費や生活費を所持しているということの証明に必要です。こちらは自身、または保護者の口座がある銀行などへの申請によって作成することができます。
他にも大学によっては
- テーマ小論文
- 大学所定の推薦状
- Scholastic Assessment Testスコア
- American College Testスコア
などが求められる場合があります。
次に大学の入試に合格した後に必要な書類を見ていきます。
- 大学寮やホームステイ先への申請書類
- 留学保険申請書
- 健康診断書類
これらの書類が、合格後に送られてくる「I-20(アイトゥエンティ)」という入学許可書とともに送付されてくるはずです。これらの書類を締め切りまでに提出するようにしましょう。
必要な手続き
アメリカの大学に入学する際に必要な手続きについて順を追って見ていきましょう。
- 入学したい大学を決める。
- 大学の入学試験に出願をする。
- 入学試験に合格後、入学手続きを行う。
- 「I-20」に同封されている書類の提出を行う。
以上の手続きをすることでアメリカの大学に入学することができます。必要な書類についても1つ前に戻りしっかりと確認をしておきましょう。
必要な英語力
英語力に関しては、入学する大学の求める英語力(TOIECスコアなど)を参考にしましょう。ただし最低でもTOEIFLスコアが「61点以上」求められることが多いと言われています。
必要な費用
アメリカの大学で留学する場合には、どの都市での留学なのかによっても変わりますが一般的には1年間で「200万円〜300万円」程度の費用がかかると考えておきましょう。
これに生活費・渡航費などが別途で上乗せされるため気を付けてください。
語学留学をするために必要なこと
次にフィリピン・オーストラリア・ニュージーランドの語学学校に留学する際に必要な手続き、英語力、費用を解説していきます。
必要な手続き
語学学校に留学をする際の手続きは以下の4点です。
- 入学する語学学校を決める
- 留学手続き書類を提出する
- 航空チケットを予約する
- 海外旅行保険などに加入する
これらの手続きに関しては、留学エージェントを通して行うことで簡単に行うことができるためおすすめです。
必要な英語力
英語力に関しては「なくてもいい」というのが実情です。
もちろんできるに越したことはありませんが、フィリピンではマンツーマンレッスンが多いため自分の英語力に合わせてレッスン展開をしてもらうことができるほか、オーストラリア・ニュージーランドの語学学校では語学力によってクラス分けされるからです。
ただし日本人は「グラマーはできるけれどスピーキングができない」という傾向がありますので、留学前にオンライン英会話などでスピーキングをトレーニングしておくとよいでしょう。
必要な費用
必要な費用はオーストラリア・ニュージーランドとフィリピンで大きく変わります、分けて見ていきましょう。
国名 | 1カ月あたりの学費(語学留学) |
オーストラリア・ニュージーランド | 20~30万円(家賃・食費別) |
フィリピン | 10~15万円(寮・3食付き) |
これに生活費・渡航費などが別途で上乗せされるので、しっかりとシミュレーションしましょう。
海外インターンをするために必要なこと
最後に海外インターンをするために必要な手続き、英語力、費用を解説していきます。
必要な手続き
まず海外インターンを行うために必要な手続きについて見ていきます。
- アメリカの場合には入国審査「ESTA」の取得が必要
- カナダの場合には渡航認証「eTA」の取得が必要
- オーストラリアの場合にはビザ「ETAS」の取得が必要
となります。他にインターン先として人気なニュージーランドは最大3ヶ月はビザ取得が不要で、EU加盟国の場合には90日間はビザなしで入国をすることができます。
必要な英語力
インターン先で求められる英語力スコアがあればそれに準じましょう。そのようなものがない場合には、「ボランティア先の人々と意思疎通ができる日常会話レベルの英語力」を身に付けることが必須だと考えてください。
必要な費用
学校などに通うわけではないため必要なのは渡航費・生活費などです。生活費に関してはその国によって変わってきますので、自分が行く国の生活費などについて詳しく調べておきましょう。
まとめ
留学をする前に必ずすべきことや、留学前に揃えておくべき書類や手続きなどについて詳しく解説をしていきました。何と言ってもまずは「留学後にどのようになりたいのか」というイメージを明確にさせることです。
そのゴールが設定できれば留学前にすべきことがはっきりとしてくるでしょう。
FlyOut編集部
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