海外留学の新しい体験を心待ちにしながらも、人種差別に対して不安がある人も多いのではないでしょうか。
人種差別の現状を追いながら、留学の成功へ繋がるような対処法を紹介します。
目次
□留学では避けて通れない人種差別
報道を通じてアメリカにおける人種差別問題を耳にする機会が増えています。アメリカ以外の国々にも議論が広がっており、世界的に差別問題が表面化していると言われています。
また、日本人を含めたアジア圏の人々に対する差別があるのも事実です。
そのため、留学を考えている人もそのことを知っておくようにしましょう。
差別の現状
以前から多様な人種で構成された社会では、差別が少なからず存在していました。しかし、国際化の進展により移民を受け入れ、差別が減少した地域もあれば、増えた移民とのトラブルから、差別が増加した地域もあると言われています。
また、差別の度合いも軽い冗談とも取れるような曖昧なものから、暴力を伴う犯罪まで存在します。
差別の原因
人種差別の原因に関しては歴史的経緯から宗教、経済格差など様々な影響が指摘されてますが、共通しているのはコミュニティ同士の軋轢と言われています。
特にアメリカのような移民国家には様々なバックボーンをもった人々が暮らしており、多くのコミュニティを形成しています。
そのため、コミュニティ間の軋轢や不満が差別に発展する事例が他国と比較して多いと言われています。
□留学を検討したい人種差別の少ない国
どの国でも差別は発生し得ますが、比較的差別が少なく安全とされている国や地域を紹介します。
また同じ国でも、都市や地方など地域によって事情が異なる点もおさえておきましょう。
①ハワイ(アメリカ)
②カナダ
③オーストラリア
④シンガポール
①ハワイ(アメリカ)
日本では観光で有名なハワイですが、人口に対してアジア人の比率が高く、さらに日系人の割合が大きいため、日本人を理由に差別を受けるケースが少ないです。また、日系人の多さは日本食レストランや日本食品店の多さと比例しており、海外でも日本食を食べたい人には利点と言えるでしょう。
その他、温暖な気候のため一年を通じて過ごしやすいのも売りのひとつです。
②カナダ
カナダは人種差別が少ないことで知られています。歴史的に奴隷制が少ないことや、建国当時からカナダ国内に英語圏とフランス語圏が共存していた点が大きな要因だとされています。
また、銃規制が厳しく治安が良い点も留学生の間では好評です。
アジア圏の人口比率が高い
ワーホリ制度があるので日本人が多い
学校も多い
③オーストラリア
オーストラリアと言えば以前白豪主義と呼ばれる白人優遇政策をとっていたことから、アジア人に対して差別が強い国と感じている方もいるかもしれません。
しかし現在は白豪主義を改め、多文化主義を採用したことから移民大国として知られています。さらに法律で「人種差別禁止法」を制定していることで、国レベルで差別解消を目指しています。
また、オーストラリアは日本とワーキングホリデー協定を締結していることから、留学のハードルが低い国の一つと言われています。
④シンガポール
シンガポールは世界有数の多民族国家であるとともに、人種差別に対して厳格な取締りを行う国として知られています。
人種や宗教を理由とした差別的な言動に懲役を科されることもあります。また地図などの公共表記も「マレー語」「中国語」「英語」が同時に表記されており、細かい点にも人種の公平に行き届いています。
また、教育に関しても世界的に高い評価を受けているほか、ビジネスについても国をあげた観光立国として成功しており、学べることは多いと言えます。
さらに、一年を通じて気候が温暖な点も、アピールポイントでしょう。
□留学先における人種差別の事例
実際に日本人が体験した差別の事例を紹介します。同じシチュエーションを避ける参考にしてください。
・お釣りのごまかし
代表的な差別行為として「お釣りのごまかし」が知られています。もちろん人種差別に関わりないケースも知られていますが、外国人に語学能力がないことを見越した差別行為が多いと言われています。
・突然話しかけられる
「ニーハオ」や「こんにちは」など唐突に話しかけられることも知られています。もちろん好意を持って挨拶している可能性もありますが、嘲笑った態度を取られることはあります。
・ステレオタイプやエスニックジョーク
上述した差別に比較すると深刻度は低いと言えますが、民族や国民性を揶揄した冗談を言われたケースも存在します。もちろん悪意のない発言であり、不快感を感じなければ気にする必要はないかもしれませんが、不愉快な場合は意見を述べることも大事な時もあります。
・学校における差別
留学生を受け入れるような学校では稀ではありますが、教師が差別行為を行うことがあります。
露骨な差別的な発言をされたり、他の生徒と比較して対応がドライだったり、深刻なものだと、授業や成績の面で贔屓をするケースもあります。
・職場における差別
ワーキングホリデーにおける職場で同僚や上司、客などから差別に遭うこともあります。
配属先や待遇、給与の面で差別的な対応を取られることもあるようです。人によっては肉体労働は移民の仕事だと認識している場合もあり、ウェイトレス希望で就職したにも関わらず、清掃やキッチンに配属された例が知られています。また、客からも不当な理由で、レジの担当を変更するよう言われたケースもあります。
□留学における人種差別の対処法
実際に差別を受けた際の対処法を紹介します。
前もって対応を覚えておくことで、うまく立ち回れるようにしておきましょう。
・差別の多い場所を避ける
上述したハワイやカナダなど比較的差別が少ないと言われている国に留学するのもひとつの手ですが、留学先の地域性にも目を向けましょう。
外国人の利用が多い店や本部に苦情を言いやすいチェーン展開している店を利用するのもおすすめです。
また、治安の面で安全な国を選んで留学するのと同じように、差別行為に厳しい地域や国民性を持つ国を選んで留学することも、大事な要素のひとつです。
・毅然とした対応をとる
基本、人種差別に限らず不愉快な態度を取られても無視するのが賢明です。ただし、同一人物から日常的に差別的言動をされた場合は、毅然と抗議することも時には必要です。
また、周囲や近所の人々と良好な関係を築き、差別をさせない雰囲気を作り出すことも、有効な対策と言えるでしょう。
・現地のマナーに従う
差別行為は加害者に責任があります。しかし、現地のマナーに反する行為は差別行為を誘発するだけでなく、現地の人からひんしゅくを買う可能性もあります。チップの支払いなど現地のマナーを学ぶことも勉強のひとつと考え、実践することも大切です。
・日本人だけで固まらない
上述したように差別とコミュニティは紙一重です。そのため、日本人で固まって過ごすと、現地の人にとって近づきにくい雰囲気を作ってしまう可能性があります。
また、語学学習の点からも、現地の人と関わる機会を増やした方がメリットが大きいでしょう。
□留学中に自身も無自覚な人種差別に注意
日本では他愛のない冗談でも、国によっては厳しく批判される表現もあります。
自身が差別されないように対策することも重要ではありますが、自分の無自覚な差別行為にも注意を払うことも大切です。
□有意義な留学のために
差別問題はその国の文化や歴史、考え方と密接しています。
留学生という立場で差別問題を見ることは、自分の視野を広げられる可能性を秘めています。
また、海外には日本よりフレンドリーなひとが多く、人種差別から庇ってくれる現地人がいるのも事実です。人種差別を受けないよう気をつけながらも、留学先での交流を楽しむことが有意義な留学への秘訣と言えるでしょう。
FlyOut編集部
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