アメリカではビジネスやファッション、アートなど、様々なジャンルの専門学校が充実しています。スキルが重要視される現地では専門学校の人気は非常に高く、多くの留学生が通っています。
そこで今回は、本場でより高い知識や技術を身に付けたいという方のために、アメリカにある専門学校のジャンルや留学の仕組み、費用、実際に留学するまでのステップなどを詳しく解説します。
目次
アメリカへの専門学校留学は実践的な専門知識とスキルを学べるチャンス
アメリカには「Vocational School」や「Career School」と呼ばれる専門学校が多くあり、留学して幅広い知識と高い技術を学べます。職業訓練やインターンシップ制度が整っているところも多く、卒業する頃には実社会で十分即戦力となる能力を身に付けられます。
特徴1:入学条件が緩くさまざまなバックグラウンドを持った人がいる
日本では専門学校と言うと高校卒業後に通うというのが一般的ですが、アメリカでは「学びたい」と思った時に入学するというスタンス。そのため働きながら専門学校に通うという人も多く、学生の年齢や性別、職業なども様々です。異なるバックグラウンドを持つ学生たちと一定期間関わるという経験は、留学後社会へ出る際にも役立つでしょう。
特徴2:専門・実務スキルを短期間で身につける
アメリカにも、日本と同じように数年間通う専門学校がありますが、一方で数週間~という短期間で履修できる専門コースも用意されているのが特徴です。よりプロフェッショナルなスキルを手に入れたい場合は年単位の長期留学がおすすめですが、ちょっとした休みを利用して専門性を高めたい、という方にとって、短期での留学は非常に魅力的なプログラムと言えるでしょう。短期間と言ってもその内容は非常に充実しており、専門的なスキルを手に入れるのには十分。帰国後は学んだ知識や技術を存分に活かせるはずです。
特徴3:留学費用が分野によって変わる
アメリカには様々なジャンルの専門学校が存在し、スキル習得までに必要な期間、目指すレベルなどによって留学費用が大きく異なります。基本的に、専門学校の学費は語学学校よりも高額になり、また大学留学のように奨学金制度も受けることができないのが一般的です。選択する分野によっては、学費の他に教材費や実習費、消耗品に関する費用が必要になる場合もあるため、費用に関しては留学先を決める前によく調べ、必要な資金を事前に確保しておくことが大切です。
アメリカの専門学校で学べる多岐に亘るジャンル
アメリカの専門学校は、より専門性の高いスキルを身に付けるため、分野ごとに独立しているのが一般的で、学べる内容に非常に豊富なジャンルがあります。特に留学生からの人気が高いジャンルをピックアップしました。
ビジネススキル
世界のビジネスの中心と言っても過言ではないアメリカでは、日本で学ぶよりも様々な面でワンランク上のビジネススキルを身に付けられます。コミュニケーション能力、問題解決能力などビジネスシーンでは欠かせないスキルを実践を通して学ぶことで、仕事において困難な状況に直面した時にも臨機応変に対応できるでしょう。
観光産業
観光スポットやレジャー施設が豊富なアメリカは観光産業に力を入れており、開発プロジェクトや経営ノウハウを含む観光学を基礎から学べる専門学校が多くあります。入学後は、学校での勉強と並行して有名ホテルやレストラン、観光スポットなどでの実地研修を取り入れている専門学校も多く、留学のモチベーションを保ちながら勉学に励めます。身に付けたスキルを活かせば、現地ではもちろん帰国後も即戦力となること間違いありません。英語が話せる人材は訪日外国人数が増加している日本において非常に重宝されるでしょう。
サービス
観光業と並んでアメリカが力を入れているのがホテルやレストランなどのサービス業です。サービス分野の専門学校では、サービス業において欠かせないホスピタリティ学を中心に学びます。学校によってはインターンシップとして実施研修に参加できる場合もあり、在学中に働きながら、帰国後も即戦力として役立つ接遇やマナーを身に付けられます。
映像制作
ハリウッド映画の本場であるアメリカには、映画制作のノウハウを一から学べる環境が整っています。その分野は大きく2つに分けられ、一つが映画制作留学の王道とも言える映画制作プログラム、もう一つは映像の加工技術をメインに学ぶビジュアルアーツプログラムです。どちらも学校での勉強に加え、実際の映画製作スタッフに混じって制作現場に入り、監督の指揮やカメラワーク、進行のスケジュール管理などを肌で感じながらキャリアを積めます。
アート&デザイン
アメリカの専門学校に留学する人たちの間で特に人気が高いのがアート&デザイン分野です。世界中のアートやデザインが集まるアメリカで、様々な作品に直に触れる経験はもちろん、多種多様な文化やスタイルの中で暮らすこと自体が、自身の感性を磨き表現力を育てることに繋がります。日本のようにアートとデザインを別ジャンルとするのではなく、融合させた新ジャンルと捉え総合的に学ぶことで、より自分らしさを表現できるスキルを身に付けられます。
ファッション
世界中のファッション業界においてトップで活躍するデザイナーやモデルが集まるアメリカですが、アメリカファッションスクールランキングTOP3は全てニューヨークにあります。ファッション業界や有名雑誌から注目を集めている学校ばかりで、世界で活躍している著名人から直接指導を受ける機会も与えられます。現地でチャンスを掴みたい、という方にはよりハリウッドとのコネクションが強いロサンゼルスへの留学もおすすめです。
ダンス&演劇
アメリカ留学で、世界中から留学生が集まるといえばダンス&演劇ジャンルです。ニューヨークとロサンゼルスを中心に世界的に有名なスクールや歴史の深い老舗スクールが多くあり、日本にはないメソッドを基礎から学ぶことができます。専門学校では一流アーティストの指導が受けられたり、本番さながらの機材を使用して撮影を行ったりと、エンターテイメントを本格的に身に付ける環境が整っているのが特徴です。
美容関連
アメリカの美容留学で学べる分野は、ヘアやメイク、ネイル、エステなど多岐にわたります。短期間でライセンス取得を目指すことができるコースも多く、効率よく修了できるようにプログラムが組まれているのが特徴です。卒業後は現地のサロンへの就職はもちろん、日本でもそのキャリアを活かせます。学生の男女比は少なく、日本に比べると男性も第一線で活躍しやすい環境が整っていると言えるでしょう。
料理
日本で料理分野の専門学校へ通う場合、シェフ、パティシエ、パン職人などそれぞれの技術習得を目指すのが一般的ですが、アメリカの専門学校では、フードビジネスにおけるマネジメントやホスピタリティ、事業展開も料理分野の一つとして捉えられているのが特徴的です。料理のスキルを学べるだけでなく、ビジネス色が強い点もアメリカの専門学校の特徴だと言えるでしょう。「Culinary school」と呼ばれるアメリカの料理の専門学校では、その人のレベルに合わせてクラスの選択ができ、初心者の資格取得からプロのキャリアアップまでサポートが充実しています。
アメリカの専門学校へ留学するためのステップ
アメリカの専門学校への留学を考える場合、実際にはどのような準備が必要なのでしょうか。実行に移すまでのステップを分かりやすく解説します。
学びたいジャンルと目指す習得レベルを決める
アメリカの専門学校へ留学するにあたり、まずは学びたい分野と目指すレベルを考える必要があります。アメリカにはあらゆる専門分野の学校が存在し、どの学校もジャンルやレベルによって細かく分類されているため、ここで選択を間違うと留学後に「こんなはずじゃなかった!」という状況になりかねません。「~を学びたい」という漠然とした目的を持つだけでなく、
留学先で具体的にどのような知識を身に付けたいのか、留学後得た知識を活かして何をしたいのか、など自身の考えを細分化して具体的なゴールを設定しましょう。
留学先の専門学校を複数ピックアップする
留学の目的を決めたら、今度は具体的な専門学校選びが始まります。アメリカでの留学生活をより充実したものにするために最も重要なことは、自分に合った専門学校を選ぶこと。自分の希望に添った専門学校を選べれば、慣れない地での生活に最初は苦労したとしても、強い目的意識をもって毎日を充実したものに変えられるでしょう。
専門学校を選ぶ際、学びたい分野であるということはもちろん、留学生の受け入れ状況や学校のカリキュラム、規模、費用、入学条件、滞在施設の有無など、様々な条件を検討しなくてはなりません。全ての条件を満たしてくれる専門学校を見つけるのは難しいですが、自分の中で条件の優先順位を付け、上位にある条件を満たした専門学校を探しましょう。
費用を比較する
留学先の専門学校をいくつかピックアップしたら、次は最も重要な条件の一つ「留学費用」の比較です。アメリカでは、ニューヨークやロサンゼルスに多くの有名専門学校が集まっていますが、郊外にある専門学校に比べると学費も若干高くなる傾向にあります。また同じ分野であっても、専門学校によっては学費と別に実習費などが必要になる場合もあるため、できるだけ費用を抑えたいという方は、学費だけで収まる専門学校を選ぶことをおすすめします。
アメリカは国土が広い分、留学する都市によって物価も大きく変動しますので、専門学校を探す際には、住居費や生活費など、予め想定できる費用は全てリストアップして費用の概算を出しましょう。
費用が合わなかったら学習内容や滞在期間を調整する
予算と実際の費用が自身の条件に合わない場合は、履修するコースを変更したり、通学期間・滞在期間を短くしたりして、予算に合うよう調整が必要です。アメリカの専門学校は短期であれば2週間~3ヶ月程度、長期であれば2年程度まで履修コースが設けられていますが、基本的に短期間でスキルを習得できるように設定されているため、必ずしも留学が長期にわたるというわけではありません。必要最低限の機会で必要な知識を全て習得できるような効率を重視したカリキュラムを選び、費用を抑えるよう工夫しましょう。
M-1ビザの取得をする
アメリカで職業に関する専門知識を学ぶ、あるいは専門技術を身に付ける目的で留学する場合、学生ビザの1つ「M-1ビザ」が必要です。M-1ビザは、あくまでも専門学校へ入学することを目的とした一時的なビザなので、留学先で履修するプログラムと同じ期間で発行されます。アメリカ以外に住所があり履修後は自国に戻る意志があること、フルタイムの学生であることなどの条件があり、原則最長1年の滞在と決められています。
<ビザの取得方法>
1.SEVP認可教育機関への入学許可書を取得する
アメリカ移民税関捜査局が管轄する「SEVP(Student and Exchange Visitor Program)」は、国が学生として入国する人が健全であるかを判断するプログラムで、留学生はこのプログラムに協力を示している認可教育機関で勉強することになります。留学先がSEVP認可教育機関でない場合、「I-20」という留学に必要な書類を発行してもらうことができないため、必ず留学先の専門学校がSEVP認可教育機関であることを確認しましょう。
2.I-20を発行してもらう
受け入れてくれる専門学校が見つかった場合、「I-20」の発行手続きを行います。「I-20」は、教育機関が申請者が就学することを承認したことを証明する書類で、留学先の学校から送付されます。
3.ビザ申請フォームでオンライン申請と面接の予約を行う
アメリカのビザ申請には「DS-160」というフォームを使用し、各自オンラインにて申請を行います。アメリカ大使館のウェブサイトにアクセスし、必要事項を記入しましょう。申請書の作成後、ビザ申請料金の支払いを済ませてから面接の予約を行います。
4.ビザ面接を行う
ビザを発行するための面接を受け、無事通過となれば1週間ほどで学生ビザ用のパスポートが自宅に送付されます。
専門内容がわかるように英語学習をする
アメリカの専門学校へ留学する場合、当然のことながら授業から研修に至るまで全て英語で行われます。そのため、学生や先生とのコミュニケーションがスムーズに取れる程度の英語力に加え、専門用語を理解する英語力が最低限必要です。留学後に困らないためにも、日本にいる間に英会話教室に通う、留学準備プログラムに参加するなど、英語力を高めることが重要です。
日本でも学べることに留学先で時間を使い、結果本当に学びたいことに割ける時間が足りなかった、という事態だけは避けましょう。
留学先での目的を確実に達成するため万全な準備を
アメリカの専門学校は、できるだけ短期間で効率よくプロフェッショナルスキルを身に付けることを目的としているため、学生や社会人が気軽に参加できるのが魅力です。留学に際していくつかのステップがありますが、専用ビザが必須となるので忘れずに申請し、実際に留学するまでに必要最低限の英語力を身に付けましょう。
FlyOut編集部
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